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【連載】月刊ブング・ジャム Vol.113 今語るべき文具 その2
本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。今回は、ブング・ジャムのみなさんに「今、気になっています」という文具を紹介してもらいました。
第2回目は他故さん注目の「タブカットシール」です。
(写真左からきだてさん、高畑編集長、他故さん)*2026年8月15日撮影
*鼎談は2026年7月25日にリモートで行われました。
日本ならではのアイデア文具
「タブカットシール」(オープン工業)
――じゃあ次は他故さんですね。
【他故】はい、文具王ほど語るところはありません。もう出オチみたいな感じですね。これが去年の 12 月発売の製品なんですけど、オープン工業の「タブカットシール」です。めちゃくちゃ簡単に言うと、この楕円形の透明シールの下に青いタブが付いていて、透明シールの粘着部分に触れずに貼ることができるんです。貼るときにこの青いタブのところを引っ張るとそのまま指紋をつけずに台紙からはがれて、シールを貼ったらタブをポンと引っ張ると青いタブが取れるので、全く指紋をつけずに封かんできるっていうシールです。
【きだて】タブところは切り離せるようになってるのね?
【他故】そう、引っ張るとちぎれる。もう単純に。
【高畑】それは2層になってるとかじゃなくて、ミシン目みたいな感じ?
【他故】ミシン目みたいな感じ。
【高畑】あ、なるほど。
【他故】もう本当に、引っ張るとちぎれますよっていうような状態です。
【高畑】はいはい。
【他故】それ以上でもそれ以下でもなく、説明はこれで終わりなんですけど(笑)。
【きだて】普通に生活してる中でさ、個人間で物をやり取りしてるときに、指紋ついてる、ついてないって、あまり問題として浮かび上がるところじゃないでしょ。
【他故】まあ個人ではね。
【きだて】多分、これお店とかで使うとか、送る際の想定なのかね。
【他故】そもそもがお店用なんすよ。
【きだて】やっぱり小売業用か。
【高畑】オープン工業の商品だしね。
【他故】今僕が持ってるこれは、単純にシート型で、12辺 ×5シートっていう売り方をしてるやつなんだけど、実際にはロールになってるのがあって。で、機械に付けて1枚ずつパシパシッと取ってくっていう、そういう業務用のロールがあるんですね。こっちがメインだろうと思います。
【きだて】シールピーラーとか使えるの?
【高畑】専用のやつなの?
【他故】そうそう。
【高畑】シールピーラーって、これ以外のシールでもはがせるってこと?
【他故】これ、関連商品でシールピーラーってあるよね。「ロールシールが簡単にがせます」って言ってるけど、ロールシールってこれ以外にあるのかな?
【きだて】これは、封かん用のシールとか使うやつだよ。
【他故】普通にシールはあるんだね。だけど、これに関しては「タブカットシール」も同時に使えると。
【高畑】あ、なるほどね。ケーキ屋さんとかで、このピーラーを使ってるのは見たことがある。ああ、丸シールね。
【他故】そうそう、丸シールをキレイに貼りたいっていう。まあそれは、個人の人がやる分には年に何度もないと思うんですよ。だけど、いざやろうとすると、指紋が結構気になる方なので。ずっと思ってたんだけども、「あ、こういう製品があるんだ」っていうのをようやく知りまして。確かにそんなにめちゃくちゃ使用シーンがあるわけじゃないんだけど、人様にちょっと何か上げる時に軽く封をすることに躊躇がなくなったのは間違いないですね。
【高畑】それで、1枚あたりにいくらぐらいなんだ?
【きだて】60枚で300円になるから、5円か。
【高畑】1片5円か。ちょっと高いけどね。
【他故】まあでも、このローラーの方はもっと単価は安くなるんじゃない?
【高畑】そうだろうね。その代わり、ロールはおそらくこの機械を入れないとやりにくいのでは。まあ、できなくはないけど。そうじゃなくても、立てて置いておける何かに入れておかないと、コロコロ転がってすごく使いにくそうな気がするな。
【きだて】ロールだと1片3.5円ぐらい?まぁそんなとこか。
【他故】そのぐらいか。
【高畑】まあ、そのぐらいだと大分いいかな。ちょっとリアルに思っちゃうのは、僕は「文具王工作室」で商品を売ってるんだよ。透明な袋とかに入れて売ってるんだけど、口を留めるのにセロテープを使うと、基本的に指紋がつくじゃないですか。
【他故】まあ、そうですね。
【高畑】切るのも面倒だし、キレイに切って指紋を付けずに貼るのは難しい。だから僕は、100円ショップで買ってきたクリアのラベルシートを使ってて、48枚で100円だから1枚2円ぐらいじゃない。これを片側ペロっと持ち上げて、先の平たいピンセットでペッて掴んで貼る、というのをいっぱい発送する時はやるんですよ。大きい袋だったら最初から糊付きを買うんだけど、包むときにはやっぱり要るんだよね。でも、こういうのがあるとなると、ちょっと考えるな。アリな気はする。
【他故】1回使ってみたらいいかもしれない。
【高畑】そうだね。これでやるか、本当に平たいものしか扱わないんだったら「貼りマウス」もいけるんだよね。あれもセロハンテープを指紋を付けずに貼れるので、案外優秀なんだけど。でも今の話を聞くと、1個だけ留める時はこっちがやりやすそうだなと思って。
【他故】そうね。これの場合は、角に留めるもできるしね。
【高畑】なるほどね。
【他故】特許取得済とホームページに書いてあったので、それなりに考えて作られてるんじゃないかなと思うんだけど。大きさは2種類あるんですよ。丸いやつと楕円に長いのがあって、明らかに楕円に長い方が便利だろうと思って、僕は楕円のやつを使ってるんですけど。楕円の大きさが35×18㎜で、丸シールが直径22㎜。もちろん、封かんみたいなことはめったに起こらないので、他に何か使い道ないかなと思って、バイブルのシステム手帳で持ち歩いて、緊急用でセロテープの代わりに使うっていうのを今やっております。
【高畑】まあ、それはいけるね。
【他故】そっちは、そもそも別に指紋が付いても別に構わないとは思うんだけども、まあせっかく持ってるので、今は持ち歩いて色々と使ってるところ。
【高畑】なるほどね。
【他故】これはキレイに貼りたいとか、「キレイに並べたい」と「平らじゃなきゃ嫌だ」とか、色々と文句を言うタイプなんだけど(笑)、キレイになるんだったらその方がいいじゃんっていう考え方でね。それに、ちょっと便利だし割と好みのかたちだったので、愛用しております。
【きだて】俺が仕事として物を売ってて、通販でのやり取りが日常作業なんだったら買うと思うな。俺の中の神経質さがこれを求めてる気はする。
【高畑】あー確かに。
――これは個人で使うケースも多いんですかね?
【他故】どうですかね。
【きだて】これは業務用でしょ。
【高畑】元々、ロールのやつは多分業務用だと思うんだよね。
【他故】完全に業務用だよね。
【高畑】工場とかだったらまた別かもしれないけど、お店だったら十分アリだよね。
【他故】そうだね、アリだよね。
【高畑】あと今は、フリマとかメルカリとかクリーマとか、個人が自分で作ったものを売るサイトが結構あるじゃない。そういうところで使えそうな気はする。
【他故】そうだよね。マスキングテープみたいなもので口を綴じちゃうのは、めちゃくちゃ素人っぽいじゃないですか。
【高畑】そうそう。
【他故】ちゃんと綴じておかないとっていうのはあるので。
【高畑】僕が売り物を作る時にいつも気にしてるのは、商品っぽさなんだよ。これが割とちょっとしたことで変わるのよね。袋の端っこをどう留めるかぐらいで、商品っぽく見えたり見えなかったりする。だから、もうちょっとキレイにしたらいいのになって思うことは結構あるんですよね。
【他故】うん。
【高畑】例えば、こういう袋に物を入れる時の袋の幅は、シモジマに行って1番ぴったりのやつを買うのよ。ほら、余った分を裏に回してセロテープで留めてる人いるじゃん。あれをやると途端にちゃんとしてる感が下がるから、中に入れるものに合わせて袋を選ぶのね。だからラベルも、指紋がべったり付いてたら嫌だなっていうのは確かに思う。
【他故】そうだね。
【高畑】俺ね、前回はあの白い定規を買ったんだけど、今、話しながら同じサイトでこのシールも買っちゃってるんですよ。
【他故】ははは(笑)。
【高畑】「月刊ブング・ジャム」で話をしてると、ちょっと買わされてしまう感がある(笑)。
【きだて】いつものやつだね(笑)。
【高畑】これはね、実際に商品を発送したりしてるから、ちょっと気になりました。すごくいけそうな気がするので。
【他故】そういう人は 1度使ってみて、自分で本当にいいなと思ったら使ってもらえるといいかなっていう感じはしますね。
【高畑】確かにそうだね。
【他故】なので、多分そこに気がついた人が超絶便利っていうことで、とても愛用してもらえる製品じゃないかなという気はするんですよね。
【きだて】確かに、このタブは面白いなあ。
【他故】引っ張ってプチッと取れるっていうね。単純とはいえ、すごくよくできてるので。
【高畑】これを貼るときは、その青いところを持って位置決めするんだよね?
【他故】そうそう。あとはシールの上の方でも軽く押さえとけばいいだけなので。
【高畑】そういうことだよね。
【きだて】これ、タブのところは糊が付いてるの?
【他故】タブは糊付いてない。
【きだて】あ、じゃあいいね。糊付いてたら一緒に貼っちゃうとかありそうだなと思ってたので、さすがにそれはないんだね。
【他故】それはない。見えないと思うけど、タブは台紙から浮きますので。
【高畑】そのはがしやすさもいいんだよね。爪で引っ掻いたりすると、取り口を作ったところがちょっとよれるじゃない。
【きだて】そう、クニャってなるよね。
【高畑】あれ嫌だよね。それをキレイにやりたいのは分かる。
【他故】プロが作っているプロのシールって感じで、非常によくできてるし。あとはこの青いとこに1個1個ちっちゃく「タブカット」って書いてあるのが結構可愛くて(笑)。ここしか商品名を書くとこないしなと思いながら。
【きだて】それはまあそうなんだけど。
【高畑】お店ほどは使わないからさ。ロールで使うかって言ったらあれだけど。
【他故】あれは多過ぎる。
【高畑】僕が「文具王工作室」でちびちび売ってるぐらいだったら、このシートで十分いけるなって感じはすごくする。平たいから、しまっておく場所もいらないしね。
【他故】本当に、こういう袋の状態で来るんだよね。
【高畑】いいですね。ちょっと留めたいところにちょうどいいな。いやー、何か日本っぽい。
【他故】圧倒的に日本っぽい製品だね。
【高畑】海外からの荷物で、段ボールの包み方が雑なところがあるからね。
【きだて】分かるよ(笑)。
【他故】そういう国では、これは生まれないよ。
【高畑】テープの貼り方もさ、たとえばさっきのインドのペンも、ブランド名の入ったテープで貼ってはあるんだけど、ぐるぐるべちゃっとやってる感じの留め方でね。そこを気にするのは、日本のお店にはやっぱり要るんだろうな。その感じはすごくします。ということで、俺、買いました。
【他故】ははは(笑)。
【きだて】俺は、今のところ使い道ないから、ちょっと今回はいいや。
【高畑】そりゃそうでしょ。僕は本当にちょびちょびだけど、たまに留めて送るものがあるってなると、確かにこれは分かる気がしました。
【他故】なので、文とびを読んでくださる皆様で、もしこういうことに悩んでる人がいたら、専用の製品があるよっていうのは面白いかな。
*次回は「スタイラスツーウェイ」です
プロフィール
高畑 正幸(たかばたけ まさゆき)
文具のとびら編集長。学生時代に「究極の文房具カタログ」を自費出版。「TVチャンピオン」(テレビ東京系列)の「文房具通選手権」では、3連覇を達成した。サンスター文具に入社し商品企画を担当。現在は同社とプロ契約を結び、個人活動も開始。弊社が運営する文房具のWebマガジン「文具のとびら」の編集長も務めている。著書は『究極の文房具カタログ―マストアイテム編―』(ロコモーションパブリッシング)、『究極の文房具ハック』(河出書房新社)、『そこまでやるか! 文具王高畑正幸の最強アイテム完全批評』(日経BP社)、『文具王 高畑正幸セレクション 一度は訪れたい文具店&イチ押し文具』(監修/玄光社)、『究極の文房具カタログ』(河出書房新社)、『文房具語辞典』(誠文堂新光社)と、翻訳を手がけた絵本『えんぴつとケシゴム』(KADOKAWA)。新著は『人生が確実に幸せになる文房具100』(主婦と生活社)。
https://bungu-o.com/
きだて たく
小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/
他故 壁氏(たこ かべうじ)
小学生のころから文房具が好きで、それが高じて文具メーカーに就職。ただし発言は勤務先とは無関係で、個人の見解・感想である。好きなジャンルは書くものと書かれるもの、立つ文房具と薄いペンケース。30分間文房具のことしか語らないトーク番組・775ライブリーFM「他故となおみのブンボーグ大作戦!」パーソナリティ。たこなお文具情報室所属。
「他故となおみのブンボーグ大作戦!」番組ホームページ https://daisakusen.net/


