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【連載】月刊ブング・ジャム Vol.110 今話題のアイデアクリップに注目! その1
本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。今回は、今トレンドとなっているアイデアクリップを取り上げます。
第1回目はコクヨの「キャンパス ペンのように持ち運べるブッククリップ」です。
(写真左からきだてさん、他故さん、高畑編集長)*2025年11月7日撮影
*鼎談は2026年4月24日にリモートで行われました。
ペン型に変形するブッククリップ
「キャンパス ペンのように持ち運べるブッククリップ」(コクヨ)本体をクルっと回転させることでペンのように持ち運べるブッククリップで、左右のクリップで別々に挟むので、開いたページの左右の厚みが違っていても外れにくい仕様となっている。また、上クリップが下クリップに比べて短く半透明なため、ページ上部の文字が隠れにくくなっている。税込550円。※関連記事
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――今日はクリップの新アイテムを3つ取り上げます。まずは、「キャンパス ペンのように持ち運べるブッククリップ」です。
【高畑】通称“くさかんむりクリップ”ね。
【他故】あー草冠ね。
【高畑】そう言われているという。まあ、何とは言わないけど、明らかに何かに影響されているなという気はするが。でも、出来はいい。ペンケースに入るっていうこのギミックがよくできてるよね。
【きだて】多分、アンケートなり色々と市場調査をした上で、ライバルである「ウカンムリクリップ」はペンケースに入りにくいとこに不満があるよね、と判断したのかな。
【高畑】アンケートであったかどうかはともかくとして、より良くするためにはペンケースに入らないっていうツッコミはできるよねというとこだよね。なので、ペンケースに入れられるっていうかたちは分かる。多分、ブッククリップタイプの中では1番コンパクトに細くなるんじゃないかな。
【他故】多分そう。
【高畑】ペンタイプと言いながら「全然ペンじゃねえじゃん」っていうのは、きだてさんが色々持ってるわけだけどさ。
【きだて】まあ、大量にあるわね。
【高畑】「ペンタイプです」とか言って、ニンジンぐらいの大きさのやつとかあるじゃない。なんだけど、これはペンタイプと言って問題なかろうっていうぐらい大分スリムには収まってるよね。
【他故】そうね、細いもんね。
【高畑】あと左右が別々なので、これは良し悪しなんだけど、2回開かなきゃいけないっていう弱点とも言えるし、逆に左右のページの厚みの差があったときにも、別々に独立して挟んでるから、本の最初の方とか最後の方で留めるときには留めやすいよねっていうのはあるよね。
【きだて】後で取り上げるキングジムの「ツイップ」も同じく左右分離なんだけど、このタイプって俺としてはやっぱり、左右それぞれに挟み直さなきゃいけないっていう手間のほうがデメリットとして大きく感じちゃう。
【高畑】どっちもあるね。それは分かる。いっぺんに留めたいっていう気持ちもあるよね。
【きだて】別々なんだけど、クリップを開けるときは左右が連動して開くとか、そういうギミックがあるといいんだけどな。
【高畑】確かにね。欲しいっちゃ欲しい。とはいえ、それでペンケースに入らなくなったらまた嫌だって話になるしね。難しいところかもしれないよね。
【他故】ははは、そうだよね(笑)。
【きだて】その辺も分かる。
――今回に関しては、ペンケースに入れることを優先したんでしょうね。
【他故】そうでしょうね。
【きだて】サイズ的に、長さで150㎜で、直径で16㎜ぐらいなので、多機能ペンぐらいの感じ。
【高畑】そうだね。ちょっと長いけどね。
【きだて】ペンケースに違和感なく収まるし、良いサイズ感ではある。その辺はいい感じに仕上げたなという感じ。
【高畑】落とし所としてキレイだね。ペンタイプにしたときに、ギリギリ筆記具の大きさに合わせてあるのでペンケースに入るよっていうようにしつつ、使い勝手の悪い大きさにはなってないんだよね。ちゃんと本もはさめる。
【他故】ああ、クリップとしてね。
【高畑】バネもしっかりしているし。よくできてるよね。
【きだて】うちの奥さんが「資料を開くのに使いたい」って持ってっちゃったもんね。
【他故】あ、そう。便利に使ってるね。
【きだて】うん、使われちゃってるね(苦笑)。
【高畑】家族に持ってかれちゃうやつは良いやつだからね。
【きだて】そうね。
――結構厚みのあるやつでもいけるんですか?
【他故】いわゆる本の厚さでも全然いけます。
【きだて】まあ開いておけるよっていうぐらいには。
【他故】ただ、このぐらい厚いと、バネが強いのか紙が凹んじゃうんですけよ。
【きだて】あ、そうそう。
【他故】ちょっと、この跡がついちゃうっていうのがあって、残念なとこではあるんですけど。
【きだて】クリップが小さいから圧が集中しちゃって、角の部分が凹むんだよね。その辺は「ツイップ」の方が後続だけあって、上手くやってる感じがするんだけども。
【高畑】本を勉強の時に広げておきたいっていう学生の選択肢として考えたら、自宅で使うなら「本に寄り添う文鎮」とか「オモクリップ」があって、持ち運び系でいくと「ウカンムリクリップ」はカバンの外に引っ掛けたり。
【他故】そうね。
【高畑】このクリップは完全にペンケースに入るので、外に挟んでおくのが嫌だっていう人にはいいかな。僕はどっちかって言うと、学生の時にはしまいたい派だったので、カバンの持ち手の部分にとめるのは自分的にはちょっと抵抗があったので、すごくちょうどいいよねって感じはする。
【きだて】外付けにするとファッション要素になるから、好き嫌いも出るし。あと、俺もツール系はひとつにまとまってケースに収まってる状態が好きなんだ。機能的な工具箱とか、うっとりするじゃん。そういう点で、収納しやすいというのは好ましいよ。
【高畑】あと僕は、四角いかたちにしたいんですよ。四角いというか、要はまっすぐな塊にしたいんですよね。「ウカンムリクリップ」とかはフニャって形をしてるじゃないですか。あの形っていうのは、何かに収めようと思ったときに、どうやってもいろんなところが干渉するじゃん。それに対して、大きい・ちっちゃいではなくって、直方体にしたいっていう思いはあるんですよ。四角いものだと積み重ねたり、横に合わせたりできるじゃん。だから、大きなお道具箱の中に入れるにしても、四角いもの同士だったら上手く寄せたらテトリスみたいにはまるけど、立体的な複雑な形状だと、他のものと上手く折り合いがつかないから。まあ、「ウカンムリクリップ」はもちろんそのつもりはないんだろうけど、四角くしたいっていうか、定型化したいみたいなところはある。
【きだて】ソリッドさをもってよしとするというやつだな。
【高畑】四角いものって、積み上げたりとか、あとこれとかだとペンケースの中に詰め込んだりとかできるんだけど。
【きだて】いや分かるよ。「ゴールドライタン」のコレクターの人とかコレクション楽そうだもんね。
【他故】ははは(笑)
【高畑】そういうのはあるね。きだてさんのあのパンチングボールペンとかって、しまい方に困るじゃん。
【きだて】いやマジでジャマでしょうがないよ(笑)。腕が干渉し合うしさ。
【高畑】そこへ行くと、カード文具コレクターの人とかさ。
【きだて】なー。心の底から羨ましいわ。
【高畑】あの人の引き出しめっちゃキレイなんだよね。
【きだて】いいよね。自分のコレクションがアルバムに収められるとか最高じゃん。
【高畑】そうなんだよ。そこはやっぱり、キチッと揃うよねっていう気持ち良さがこのキャンパスのクリップにはあるよね。畳んだときに、この幅とかがちゃんと揃ってるじゃん。こういうところがまっすぐ揃ってくれるのはすごい気持ち良くてさ、僕はこういうの好きなんだよね。
【他故】うん、すごくいいよね。
【高畑】あと、この高さもきっちり揃ってるじゃん。こういうのはいいよね。
【きだて】こいつは大事だね。
【他故】すごく大事だと思う。
【きだて】あとさ、クリップとして展開したときに、クリップの下側がちょっと突き出すじゃん。
【高畑】出てるのね。
【きだて】これがね、意外と安定性の点ですごく良くて。
【高畑】なるほど。
【きだて】これのおかげで、キッチリと本が動きにくいというか。その辺もあって、細かいところまでよくできてるなっていうのは、使ってみると思うね。
【他故】そうか、そうだね。
【きだて】そうなのよ。この辺はね、工夫だなっていう。
【高畑】細かいところの工夫は色々とよくできてるよね。
【きだて】この辺は、さすがコクヨそつないなっていう。
【他故】弱点ないよね。
【高畑】直角にしたときにもカチッと止まるし、横にしたときにもカチって止まるし、ちゃんとカチって止まってくれるのが気持ちがいい。こういうのも大事だよね。ここがグラグラしてるっていうか、止まるところが決まってないとさ、何か収まりがね。
【きだて】そうなんですよ。
【高畑】直角にしといた方がきちっと止まるからいいよね。中がちょっとしたバネっぽい感じになってて、カチって止まるんだよね。よくできてるよな。
【きだて】そう、あまりにもよくできてて、そつがなさ過ぎて、今言ったぐらいで大体言い尽くしちゃうんですけど。
【他故】まあ、これ以上はっていうか(笑)。
【高畑】気が付いたらブックグリップっていうジャンルができた感じはするよね。
【他故】そう、するする。
【きだて】こんだけあると、店頭でもそろそろブッククリップのコーナーって成立しそうじゃない。
【高畑】そうそう。俺さ、「ウカンムリクリップ」とか出てくる前まで、ずっとトモエそろばんの重りにクリップが付いてるやつを使ってたんだよ。今でも、それの方がいい時っていうのもたまにあって、今も持ってるんだけど。プラスチックのバネが劣化すると割れるのでそこはちょっと残念なんだけど、でもそれしか選択しなかったんだよ。俺が多分、中学生ぐらいの頃からあるから。
【他故】あるね。
【高畑】だから、30年ぐらい選択肢が全くなくて「他に何もねえな」って思ってたところが、ここしばらくで急に選び放題になったじゃない。
【他故】すごいよね。
【高畑】留めたいものとか持ち運びしたい形態とか、そういうので選べるようになるなんて思ってなかったから。逆に言うと、何で早くやんなかったんだろうねって思うジャンルではあるよね。
【きだて】とはいえ、俺も「ウカンムリクリップ」がこんなにヒットするとは予想できてなかったし、そもそもブッククリップにここまでの需要があるとも思わなかった。これはぶっちゃけ先見の明の無さなんだけどさ、しかしそれにしたって、みんなそんなに本を開きっぱなしにしたかったのか?
【他故】あれば便利だって気が付いちゃったんだよ。
【高畑】言われたら絶対やった方がいいって感じで。俺だって、ずっと自分のYouTubeチャンネルとかでトモエそろばんのを「もうこれしかないんだよね」って言ってたんだけど、その時に気づくべきだよね。「もうちょっとこうしたい、ああしたいっていう時もあるよね」みたいな時に気づくべきだったんだけど、いや気づかないもんだね。
【他故】本当にそうだよね。
――基本的にユーザーは学生じゃないですか。だけど、「ウカンムリクリップ」って結構大人が使ってるでしょ。
【高畑】大人が今はリスキリングとか色々言われ始めて、新たに何かしらの技能とか知識とかを身につけなきゃいけないですよってすごい煽られてるわけじゃないですか。その中で、みんな勉強しなきゃとか、あと急に教養ブームになってきたから、教養を身につけねばとなって、みんな本を読むのが必要になってきてるっていうのがあると思う。
――あとは、料理中にレシピ本を開いておくのに使うとか。
【高畑】楽譜の人とかも結構いますね。
【きだて】そうだろうね。
【高畑】楽譜でも留めやすいって言って、音楽系の人とかは使ってるみたいだし。すごく選択肢が広がって、自分の使い勝手に合わせられるから良いってみんな言ってる。
【高畑】趣味にももちろん使えるけど、でもやっぱり学童っていうよりはま学生かな。高校生ぐらい人たちが今、文房具の新しいジャンルを牽引するところに結構はまってきてるよね。
【他故】うん、そうだよね。
【高畑】大人のジャンルって、万年筆とかもあるけど、普通に実用品だったらボールペンだったりとかファイルだったりとかみたいなところなので。こういう、ダイナミックに変形する面白さとか、そういうのはやっぱり学童文具の面白さだよね。
【他故】うん、そう、面白いんだよね。ちゃんと面白が入ってるんだよ。
【高畑】ここの変形ギミックとかが、何か楽しくなっちゃうよね。
【他故】「さあ、やるぞ」って感じで、カチってやるそのものが楽しいんだよね。これ開いた方がカッコいいんだ。
【高畑】いやいや、だからほら、この形状自体が在りし日の、ガンダム以前のロボットアニメとかに出てきそうな。
【他故】「鋼鉄ジーグ」にビッグシューターというのがあってですね(笑)。
【きだて】そこからジーグパーツが出るんだよね。
【高畑】ここら辺から出てくるよね、穴があって。だから、もちろん普通に道具なんだけど、この形状がもうもうすでに、ちょっとしたプラモデル的な面白さがあるじゃん。
【他故】カッコいいよね。
――「スター・ウォーズ」に出てきそうですよね。
【他故】Xウイングとかね。
【高畑】あるよね。そういう見立てができちゃうところも学童文具の面白いとこでさ。
【他故】いや、本当に。
【高畑】大人文具にはない、ちょっとしたギミックの面白さがさ。
――結構男子も使ってるんですかね?
【高畑】「ウカンムリクリップ」は結構女子だと思うんだよ。元々髪留めだし、可愛らしい形をしてると思うんだよね。なんだけどさ、男子はペンケースに入れたくなったりするじゃんって思うんだけど。
【他故】多分ね。
【きだて】それと、変形っていうだけで買っちゃうよね。そこですよ。
【他故】これはちょっとね(笑)。
【きだて】変形する上にブンドドもできるっていう。
【他故】カッコいいんだもん。
【高畑】その面白さはやっぱりあるよね。
【他故】あるね。
【きだて】それにしてもさ、ブッククリップを持ち出して使うっていうのが、やっぱり今だなというか。俺らの頃って、勉強する場所って大体決まってたじゃない。学校か自宅か、せいぜい塾かぐらいで。
【高畑】あと図書館とか。
【きだて】そうだね。
【高畑】俺は試験勉強をしに図書館に割と行ってたけど。いやだから、俺はトモエそろばんのを持って言ってたんだよ。
【きだて】それは重いな。
【高畑】俺の頃は、重たいのはもう我慢するっていうかさ、「重たいのはしゃあない」みたいな感じで。
【きだて】そうだね、それはあったな。
【高畑】ゲージパンチをリュックに入れてさ。
【きだて】そこまで同意を求めんな。
【他故】ははは(笑)
【高畑】いやだってさ、穴あけたいじゃんって思うんだけど。
【きだて】家に帰るまで我慢しなさい。
【高畑】それができないからさ…。
【きだて】でも、今どき夕方にマックとか入ったら、普通に高校生ぐらいの子らがあちこちで勉強してるもんね。
【他故】やってる。いろんなところにいるよね。
【高畑】マックはそうだし、うちの近所のベローチェとかは、もう老若男女入り乱れてみんな勉強してるのさ。だからすごい、みんな勉強する時代になったなっていうか。あんなにおじさんやおばさんがその辺で勉強してるって、そんなになかった気がするんだよね。
【他故】明らかにテキスト開いて、一生懸命何か書いてるもんね。
【高畑】あ、そうそう。喫茶店で本読んでる人は前からいたけどさ、あんなにあからさまに勉強してる人たちがこんなに街にいるっていうのが、ああ今だなって感じはするね。
【他故】確かにそうだね。
【高畑】僕らが子どもの頃は、あんなに外でみんな勉強してなかったな。
【他故】見たことないよ。
【きだて】嫌な時代だね、本当に。
【他故】ははは(爆笑)
【高畑】嫌な時代っちゃ嫌な時代だ(笑)。
【きだて】こちとら、もう勉強したくなくて大人になったんだからな。
【高畑】それなんだよ。最近、学童文具とかが大人に転用されることが増えたじゃん。あとほら、「宿題やる気ペン」が「大人のやる気ペン」になったでしょ。あれさ、大人になったからってやる気が出せるわけじゃないっていう。
【きだて】そうそうそう。
【高畑】大人になったからっていって、勉強のやる気は出ない。子どもの頃は、大人っていうのはそういうのを自分でできるもんだと、ちょっと思った節もあるわけじゃないですか。
【他故】まあね、大人はできると思うよね。
【高畑】子どもは「ちゃんと勉強しなさい」と言われてる一方で、親はしっかりちゃんとやってるように見えるけど、あのやる気の出なさ加減は子どもの時と何にも変わらない(笑)。
【きだて】変わらないどころか、モチベーションの点では、子どもよりも低いんだからさ。
【高畑】その可能性はあるよ。
【きだて】もっとやる気を出させるための何かがあるべきなんだよね。
【他故】集中力も落ちちゃってるしね。
【高畑】大人こそ、学ぶ時にはそういう道具に頼りたくなることが、まあ割とある。最近は、昔に比べて悪びもせず、大人が学童用文具を使うようになったじゃないですか。
【他故】まあね。
【高畑】これなんかもまさにそうだと思うんだけど、こういうものを使うのが全然アリっていう感じになってきたから。
【きだて】高校生は自分の欲しい文房具を何でもかんでも買えないけど、大人は買えるんですから。
【高畑】本当そう。
【きだて】金で解決できる部分は、やっぱそれでやっていくべきだよ。
【高畑】確かにね。
【他故】しかも、自分の子どもの頃になかった便利なものがあるわけだからね。
【きだて】そう、それ。大事ですよ、本当に。
【高畑】むしろね、俺が中高生の時になかった腹いせに今買うって感じだからね。
【他故】腹いせ(笑)。
【高畑】あの時にあったら、もっと勉強できたのにみたいな感じのね。
【きだて】まあ、我々はそういうルサンチマンを抱えて生きているわけですけども。
【他故】まあそうだね。
【高畑】「ウカンムリクリップ」のコンセプトが、めちゃくちゃ明快な部分の良さもあるけど、この完成度の高さとこの面白さっていうのは、学童文具のある種の良いところをちゃんと詰め込んだ製品じゃない。で、かといってふざけてないじゃん。
【他故】うん、全然そう。
【高畑】だからほらなんかこう。今こうやって「ビューン」とかやってるけど、でも学校に持ってってふざけてるわけでもないじゃないですか。きだてさんがメインで集めている、学校に持ってって怒られる文房具ではないわけですよ。
【きだて】そうですよ。
【高畑】だから、これ擬態してるわけですよ。気分的にはイロブンのところもちょっとあるじゃん。
【きだて】というかね、これに何でペンを付けなかったんだっていう。
【他故】ははは(爆笑)。
【高畑】なるほど(笑)。
【きだて】それはね、本当に思うよ。これだけ程よくペンサイズなんだったら、ペンぐらい付けときなさいよっていう。
【他故】ペンが付いたら、急にイロブンになってしまうのでは。
【きだて】いいじゃないの、望むところだよ。「ブッククリップだけども、いざという時はペンにもなります」って、そんなの絶対欲しいじゃん。
【高畑】本開いて書けねえじゃねえかよ(笑)。
【きだて】さらに言えば、これ、真ん中にデッドスペースがあるわけじゃん。ロゴが入ってるところ。ここ、何か入れられるだろうよっていう。
【高畑】あ、なるほどね。
【きだて】そこに消しゴムの1つでも入れられる小物入れにしときなさいよとかさ。
【高畑】ま、確かにね。
【きだて】例えば、そこにフィルムふせんとか入ってたら良くない?
【高畑】確かに、本開いといてふせんが出たらいいかもね。
【きだて】ブッククリップ+ふせんは絶対いいでしょ。
【高畑】なるほどね。
【他故】フィルムふせんをここからピュッと引っこ抜くみたいな。
【きだて】そうそう。だからね、コクヨもまだその辺が足りないねっていう。
【他故】ははは(笑)
【高畑】ここから、まだまだできることはあるんだろう。
【他故】まだできる(笑)。
【きだて】しかし、完全に口から出任せで言ってみたけど、ブッククリップ+ふせんっていいな。
【高畑】案外いいね。うん、それはいいかも。留めたままで使えるもんね。この形だったら、確かに開いた状態で使えるな。
【きだて】ちょっとピンと来たメーカーさんは、僕までご連絡ください。
【高畑】きだてさんがしっかりアピールしてるぞ(笑)。
【きだて】適度な金額でアイデアをお譲りしますので。
【他故】適度な(笑)。
【高畑】まあだから、まだやれることはあるのかもしれないし、それこそ今そのブッククリップが「うちはこう」っていう、いろんなアイデアがまだまだ出てきてるわけじゃないですか。
【他故】そうね。
【高畑】ここら辺は何か、本当に1ジャンルできてきましたな。
【きだて】どうなんだろうね、ジャンルとしてはまだもうちょっと続くのかね?
【高畑】いやでも、なんか各社一通り必要なものは出したのかなっていう感じかな。
【他故】あとはだから、可愛いとか、そういう方向にしかもう引っ張れなくない?
だって、何かあるか?
【きだて】だから、「ペン付けなさいよ」とか「ふせん付けなさいよ」とか色々とあるじゃないの。
【他故】そっちか(笑)。
【きだて】あとは、さっきも言った通り、左右別クリップが連動して開くようにするとか、そういうちょっとギミッカブルなところはまだ目があるんじゃないの。
【高畑】ちっちゃい工夫として、もうちょっと便利にする方法がものによってはありそうだね。
【他故】かもね。
【きだて】ジャンルとして進化し始めたところだからさ、まだあるんだよ。絶対。あとは、ブームが終わるのが先か、進化するのが先かっていうところだと思うのね。
【高畑】確かにね。でも、消しゴムとかに比べると初期投資が大きそうだから、なんぼでもっていうよりは、一通り作ったらそれ売らなきゃって感じがするので。コクヨも、文鎮タイプとクリップタイプは一応作ったから、やるとしたらまた全く別の方法とかを思いついたらそれはアリかもしれないけど、クリップタイプはクリップタイプでもういいんじゃないのかなって気もしちゃうので。
【きだて】どうだろうな。大きいところでまだブッククリップを出してないところは…プラスか。
【高畑】プラスは出してないっけ?
【他故】プラスはないか。
――学童系メーカーでは、クツワも出してないんじゃないですか。
【きだて】ブッククリップ自体はないか。
【他故】確かに、クリップはあるけど、ブッククリップとは言ってないよね。
【きだて】いやー、今の時点でクツワがブッククリップ考えてないってことはないだろう。
――このあとクツワのクリップを取り上げますけど、ブッククリップじゃないですからね。
【他故】そうね。
【高畑】学童メーカーとしたら、レイメイは出したし、ソニックも出してるから、水面下で考えてるとしたら確かにクツワかもしれないね。
――まあ、独自路線なのかもしれませんが。
【高畑】それはそれでいいと思うんですけどね。これから出すんであれば、よっぽど何かウリあるものじゃないと。これだけ出てきちゃってるから、似てるものを出す意味もないじゃないですか。
【他故】ただのそっくりさんではね。
【高畑】やっぱそこは工夫していきたいよねっていうのはありそうだね。
【他故】うん。
【高畑】ほら、消しゴムの角戦争をやってる時に、シードの「ケスゴム」が突然出てきた時の衝撃みたいのがあるじゃん。
【きだて】はいはい。
【他故】「そっちかよ」みたいなね(笑)。
【高畑】あと、「もういいや」と思ったところに、「鉄ケシ」とかが出てくるような。「その発想なかったわ」みたいなのがあるとしたら、次はそっちかな。ブッククリップも結構違いがあるしね。
【他故】うん、面白いですよ。
【高畑】今の学生はいいなって思っちゃうよね。
――各社出てますけど、どれもブッククリップは動きがいいみたいなので、もしかしたら複数持ちをしてる人もいるかもしれないですね。
【他故】まあそうでしょうね。
【高畑】家で使う用とカバンに入れる用は別とかっていうのは全然アリだと思うし。
【きだて】そういう意味では、コクヨは売り方が上手かったんだよね。もう1個、家で使う以外のやつを買わせるっていうのは。
【他故】まあそうだね。持ち歩き用っていうね。
【高畑】明らかに、「本に寄り添う文鎮」はちょっと重いからさ。外向きじゃないもんね。でも、あれはあれでいいんだよね。文鎮の方もすごいよくできてて、使い勝手はいいので。まあ、自社内でバッティングしてもしょうがないからね。
――棲み分けできていいんじゃないですかね。
【高畑】うん.色々出てくるけど、今出てる中では多分1番持ち運びがしやすいのがこの「キャンパス ペンのように持ち運べるブッククリップ」だね。
【きだて】そうだね。間違いないかな。
【高畑】携帯性は抜群に良いね。
【きだて】軽いしね。
――あと、値段も500円ぐらいですもんね。
【高畑】そう、安いんだよね。コクヨは、ギミックの割にコスパがいいよね。すごい手の込んだ作りなんだけど、値段安いよね。
――学生が買うものなので、そこら辺を考えてやってんでしょうけどね。
【高畑】いっぱい売るつもりで最初から勝負してる感じはあるね。
【きだて】それはあるだろう。
【高畑】体力のある大きなメーカーの攻め方というかさ。
【きだて】嫌らしいなぁ。
【他故】いやいや(苦笑)。
【高畑】きっちり作り込んで作ってくるっていうところはあるよね。
*次回は「ツイップ」です
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プロフィール
高畑 正幸(たかばたけ まさゆき)
文具のとびら編集長。学生時代に「究極の文房具カタログ」を自費出版。「TVチャンピオン」(テレビ東京系列)の「文房具通選手権」では、3連覇を達成した。サンスター文具に入社し商品企画を担当。現在は同社とプロ契約を結び、個人活動も開始。弊社が運営する文房具のWebマガジン「文具のとびら」の編集長も務めている。著書は『究極の文房具カタログ―マストアイテム編―』(ロコモーションパブリッシング)、『究極の文房具ハック』(河出書房新社)、『そこまでやるか! 文具王高畑正幸の最強アイテム完全批評』(日経BP社)、『文具王 高畑正幸セレクション 一度は訪れたい文具店&イチ押し文具』(監修/玄光社)、『究極の文房具カタログ』(河出書房新社)、『文房具語辞典』(誠文堂新光社)と、翻訳を手がけた絵本『えんぴつとケシゴム』(KADOKAWA)。新著は『人生が確実に幸せになる文房具100』(主婦と生活社)。
https://bungu-o.com/
きだて たく
小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/
他故 壁氏(たこ かべうじ)
小学生のころから文房具が好きで、それが高じて文具メーカーに就職。ただし発言は勤務先とは無関係で、個人の見解・感想である。好きなジャンルは書くものと書かれるもの、立つ文房具と薄いペンケース。30分間文房具のことしか語らないトーク番組・775ライブリーFM「他故となおみのブンボーグ大作戦!」パーソナリティ。たこなお文具情報室所属。
「他故となおみのブンボーグ大作戦!」番組ホームページ https://daisakusen.net/



