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【連載】月刊ブング・ジャム Vol.111 ブング・ジャム注目の個性派文具 その1
本サイト編集長の文具王・高畑正幸さん、イロモノ文具コレクター・きだてたくさん、ブンボーグA・他故壁氏さんの3人による文具トークライブユニット「ブング・ジャム」が、気になる最新文房具を独自の視点から切り込んでいく「月刊ブング・ジャム」。今回は、ブング・ジャム注目の個性派文具を取り上げます。
第1回目はサンスター文具の「スティッキールはさみ TSUMAMUNO(ツマムノ)」です。
(写真左からきだてさん、他故さん、高畑編集長)*2025年11月7日撮影
*鼎談は2026年6月6日にリモートで行われました。
ピンセットとはさみを一体化!
「スティッキールはさみ TSUMAMUNO(ツマムノ)」(サンスター文具)ピンセットとはさみを一体化、「つまむ」、「切る」の作業を1本で行える新発想の2in1ツール。刃先をピンセット形状、下部をはさみ形状とした一体構造により、作業中に持ち替えることなくスムーズに使える。本体はスライド式のキャップレス仕様で、片手でも簡単に出し入れが可能。税込935円。「第35回 日本文具大賞」トレンド部門優秀賞を受賞。※関連記事『スティッキールはさみ TSUMAMUNO(ツマムノ)』を楽天でチェック
『スティッキールはさみ TSUMAMUNO(ツマムノ)』をAmazonでチェック
――今回は、個性的な文具3点をピックアップしました。まずは「スティッキールはさみ ツマムノ」です。
【きだて】これ、あまりにはさみとして特殊すぎて、用途が未だにちゃんとつかめてないんだけどさ。サンスターのサイトとかを見ると、やっぱり「シール用」にっていう言い方だよね。
【他故】そうね。切って、はがして、つまむみたいな。

【きだて】とはいえ他に使いようないのかな? というの延々と考えてみて、まだピンと来てないのね。いろんな人に見せて、「釣りに便利なんじゃないか」っていうのと、昨日取材を受けたカメラマンさんに見せたら「僕ヨーヨーをやってるんですけど、ヨーヨーやってる人間はこれ絶対欲しいと思います」って。
【他故】えっヨーヨー?
【きだて】競技用のヨーヨーって紐の部分を色々と交換するのね。そうしたら長さ合わせで当然切らなきゃいけないので、まずハサミは必須だと。で、その紐が絡まっちゃったときには頑丈な針みたいなのを入れてこじったりするんだって。でもそれなら「ピンセットの方が便利かも」っていうことらしくて。
【高畑】なるほど。
【きだて】ということで、釣り用とヨーヨー用って2案は出てきたんだけど、それにしても汎用性という点では難しくて、やっぱりこれはシール用なのかな?っていう。
【他故】まあ、そうなんだろうね。
【高畑】シールってさ、今の「ボンボンドロップシール」が流行る前から、インスタとかでシールのコラージュとかの動画を見ると、大体ピンセットなのね。先の曲がったピンセットを使ってる人が多いんだけど、はがして貼るっていうのを指でやってる人はほぼいないんだよね。インスタとかだと。
【きだて】そうだろうね。
【高畑】だから、ほぼほぼシールを貼るっていう行為はピンセット。映える世界では、少なくとも指でやる人いないみたいな状態で、ピンセットはよく使うというところはあるみたい。でもこれって、多分出た時はボンボンドロップシールが爆流行りするちょっと前じゃないかな。ちょっと前ていうか、多分同時期ぐらいに出てるんだけど、それより前に多分作ってるんじゃないのかなっていう気がするので。ボンボンドロップシールの交換っていうイメージよりも前からあるような気がするんだよね。
【きだて】企画のタイミングから考えるとそうだよね。前だよね。
【高畑】シール自体は流行ってないかっていうと、インスタの中でのいわゆるノートというか、デコレーションとしてというか、映えるページを作るコラージュとしてのシールっていうのはまあまあ流行っていて。特に、ジャンルによっては重ね貼りするのが前提で、擬似3Dみたいになってて、重ねていって絵を作るとかそういうのがあったり。要は、精密に貼り合わせていくというか、塗り絵の代わりにシールみたいな感じっていうか。上手く重ねていくことで絵がちゃんとできるみたいなものだったり。
【きだて】着せ替えシールとかそういうのもあるもんな。
【高畑】それに近い感じかな。あとは韓国とかで結構流行ってる系の、ちょっと素敵な風景みたいなシールと人物とかを組み合わせて風景画みたいなのをシールで作っていく人たちが結構いっぱいいて。スタンプと同じような感じなんだけど、そういう世界を作るシールセットみたいなのが結構いっぱい売ってるのさ。そういうのを色々とやるのに、ピンセットは必須アイテム。だから、シール関係では必須アイテムだっていうのがあるのと、あとは当然シールを切り貼りしないと。コラージュするときにはみ出した部分を切るとか、不要な部分を切って絵にしていくみたいな感じのことを結構みんなやってるので、はさみとピンセットっていうのが2つ要るよねっていうものではあるみたい。まあ、一緒にするべきかどうかはまた別だけど。
【きだて】とは言っても、ここまでシール交換がブームにならないと、そもそも注目もされづらかったと思うしね。だとしたらサンスター文具、すごいラッキーだったかも。
【高畑】まあ、そういう意味ではラッキーだよね。すごいちょうどいいタイミングで出てきたというのは、そうなのかもね。
【他故】そうね。
――発売が2月上旬だったんですね。企画は当然去年からやってるから。
【高畑】そうですね、1年以上前からやってたりとかするから。型物だからそういうのをやってるんだと思うのね。
――でも、「ボンボンドロップシール」は去年から売れてたので。しかもサンスターから発売されてるものもあるし。
【高畑】ボンドロが爆発的に来たのっていつ頃だったかな?
――年末ですかね?
【きだて】もうちょっと前だと思う。
【高畑】だから、この商品の企画が会議で通る時期っていうのが、それよりは前なんじゃないのかな?
【他故】そうだよね。
【高畑】少なくとも、これを考えて、図面書いたりとかしてるのは、さすがにボンドロが流行り始めてからだとちょっと遅過ぎるよね。
――予測してる人がいたんじゃないですか(笑)。
【きだて】それは予言者だよ(苦笑)。
【高畑】さすがに予測できてたら、あんなに欠品しないよって感じなんだけど。
【きだて】そうだね。
【高畑】予想できてたら、「ツマムノ」とか作ってる場合じゃなくてシールを作れって話だよね(笑)。
【きだて】あと、このピンセットの形状は、ボンドロみたいな立体ぷくぷくシールをつまむにはそんなに適してないじゃん。
【高畑】まあそうかもね。立体シールをつまむっていうのは、後から出てきた話なんだろうけど。まあでも、シール交換っていうか、シール帳に貼ってからだと、台紙要らなかったりはするんだけど。でも、台紙ごと切って渡すっていうのを割としてたりもするし、今でもしてる人は「貼り替えるの嫌だ」っていう人もいるから。十分そこには上手くはまったじゃん。
【きだて】それもあるだろうけど。
【高畑】それ以前から、シール系の一角では、ちゃんと専用ピンセットがあるんだよ。
【きだて】シール用のがあるよね。
【高畑】あとは専用のちっちゃいカッターマットとか、ペン型のカッターとか、結構そこら辺は充実はしてたんだよ。そこは狙ってたんだと思うんだけど、それは「ウカンムリクリップ」みたいなシェアの広さではないからね。
【他故】まあそうね。
【きだて】だから、本当よく企画を通したなと思って。
【高畑】でも、サンスターの最近の、ニッチなところの攻め方の上手くはまるパターンの1つなのかもしれない。
【他故】うん、そんな気がする。
【高畑】普通に、これまでだったら通らなかったかもしれないけど、今のノリだったら「アリだよね」みたいな感じのところはあるのかもしれない。それで、これ切りにくいのかと思ったら、結構切れちゃったりするんだよね。
【きだて】だってはさみを使い慣れてる人って、切るときに刃先までは使わないじゃん。だから、刃先まで完全に切れなくてもいいという割り切りを考えれば、これで全然良かったりもするしね。その辺は面白い作りだし。あとちょっと感心したのが、はさみって刃が交差してるじゃない。だけど、それだとピンセットとして成立しない。
【高畑】ああ、ちゃんと合わせてるんだよね。
【きだて】先端がちゃんと噛み合うようになってるじゃない。こうこういう手間をちゃんとかけてるのは偉いな。これ曲げでやってるのかな。

【高畑】プレスしてるんじゃない?
【きだて】そうか、プレスだよね。だから、ちゃんと2段階でプレスを変えてやってるのがすごいなと思って。
【他故】そうやって作ってんだよね。
【高畑】手順は分からんけど、普通のはさみよりは面倒くさそうだよね。ピンセットって、普通はV字じゃない。V字のピンセットと、はさみはX型になってるじゃない。案外、これはこれでつまみやすかったりしてさ。あと先端がちょっと平たいのね。それが確かに、シールとかはがしやすかったりして、別にピンセットの形じゃなくてもいけるなと思って。
【きだて】シールはがすんだったら、先端をもうちょっと薄くしてほしかったなというのもある。
【高畑】薄くっていうか、これってシールをこう挟むんだよ。
【他故】そうね。上下からだからね。
【高畑】これはこれで他にあんまりないなと思って。このはさみ心地が案外悪くないなと思ってしまった感じはするな。だから、つまみやすいものが多いなと思って。いわゆるピンセットでもいいんだけど、ピンセットとはなんか違う。普通のピンセットとは使い勝手がちょっと違うんだよね。
【きだて】バネの感触でピンセット使うっていうのは、なかなかに新鮮というか。
【高畑】グリップ太いから持ちやすいんだよね。
【きだて】まあ、そうね。
【高畑】あとピンセットってさ、そのまんまだとペンケースに入れると突き破るからさ。そう考えると、持ち運び用のピンセットだって思うと、こういうのもアリなのかなって感じ。
【きだて】そうなんだよね。携帯しやすいピンセットってあんまりないよね。
【高畑】そうかもね。これじゃなかったとしても、携帯ピンセットってあんまり見ないよね。
【他故】見たことない。
【きだて】先端が収納できるピンセットっていうのはないと思うよ。
【高畑】あんまりないよね。シーズみたいなケースが付いてきて、自分で入れるみたいな。
【他故】それはあるけどね。
【高畑】特に学生さんとかが、勉強道具を入れるとぐらいのペンケースとかポーチとかに放り込める感じのピンセットって、確かにないなと思ったら、そう考えるとこのピンセットを持ち歩きができて、貼ったりとかシール交換したりとかするのには便利なんだろうなって気がする。
【他故】ズバリ、僕の使い方がそうなんですよ。これは携帯ピンセットだと思って、持ち歩いてて。何かの時に切れるっていうぐらいの気持ちで使ってる。
【きだて】他故さんが外でピンセットって、何に使うの?
【他故】これだけ目が悪いとね、色々とつまめないものがあるんですよ。机の上でもそうだし、落としたものでもそうだし、つまめない瞬間があるんですよ。特に仕事場で、ちょっとした紙片を切り出したりする仕事がたまにあるんだけど、もう取れやしない。そこにわざわざピンセットを装備するってことはしないので、これが1本あると便利。
【きだて】あー、そういう。
【他故】あとこれは僕の話で、多分一般の消費者とは関係ないんだけど、文房具は置く場所が決まってるのに、皆さんと違ってピンセット的なもの、工具みたいなものを置く位置がうちは決まってないんですよ。だから、ピンセットを欲しいなと思って買っといて、置いといて使ってると、どっかへ行っちゃう。
【きだて】ああ。
【他故】ペンスタンドに入れにくかったりして、定位置が僕決められないんですよ。本当に、これが出て初めてピンセットがここにある。絶対紛失しないピンセットっていうのについに出会ったっていう(笑)。
【きだて】う~ん、そうそういう需要があるのか。
【他故】ちっちゃい需要だと思うけど。
【高畑】それ自体がメインかと言ったらあれだけど、ピンセットって案外要るっていうか。俺も不器用というか、細かいところに指が太くて上手くいかないことのストレスはすごくあるので、逆に俺は机の上とか引き出しの中とかに入れてて、いっぱいピンセット持ってるのね。用途に合わせてピンセットの種類がめっちゃあるんだよ。その中で、「これまで持ってるピンセットにないなこの形」って感じはしてる。
【他故】そうね。
【きだて】うちも今パッと目視で数えたら、ピンセットが8本とりあえずあったけど。
【他故】すごいね。
【高畑】毛抜きっぽいやつもあるじゃん。そういうのも含めると今7本はあるね。先端がめっちゃとんがってるやつとか平たいやつ、毛先がしっかりつかめるやつと、握ってる間だけ開いてるやつとかあるんだよ。
【他故】ああ、聞いたことはある。
【高畑】そのぐらいは普通にあるので。形状によって掴みやすいものが違ってたりとかするので、俺個人としては今まで持ってたやつの中で近いのがあるかって言うと、方向が違うんだよね。
【他故】そうだよね。
【高畑】普通は平たい板を合わせるんだよ。平面同士がペタンっていくはずなんだけど、「ツマムノ」は違うじゃん。持ち方とか力の入り方が全然違うんだよね。面白いなっていうか、これはこれでアリだなっていう感じはするね。
【きだて】似たようなものを見つけました。
【高畑】何用?
【きだて】これはね、アクセサリーとか作る用のミニペンチ。
【他故】そうだね。確かにペンチはその方向だね。
【きだて】近いよね。これでバネの力でX型でこうやってやるので。
【高畑】僕も先細のペンチは持ってるけど、そういうやつに近いのか。
【きだて】だから、ピンセットよりもむしろミニペンチ側だなっていう。
【他故】そうだね。
【高畑】これはペンチっていう力はかけられないんだよね。
【きだて】せいぜいが、小さいパーツをひょいと摘まむぐらいのもんで、ペンチみたいに「ギーッ」と力をいれるような動作にはあんま向いてないね。
【高畑】そうだろうね。ちっちゃいチェーンみたいなやつあるじゃない。あれを開いたり閉じたりみたいな小細工をするとどうかっていうと、それを想定はしてないだろうから。でも、簡易的にそういうことをちょっとしたい、それこそヨーヨーの人みたいな話だよね。多分、釣りの人とかヨーヨーの人とかは、糸を切るっていうのと、食ってる針を引っ張り出すとかの細かい作業をするとか、そういうのには使えそうな感じはするね。
【きだて】うん。
【高畑】もちろん、メインの用途としてはシールなんだろうね。学生さんとかがシールで遊んでるところを想定してるんだろうけど、案外他にないからいいんじゃないかな。
【きだて】ちなみに、釣りする人は「これ上州屋で売ってくんないかな」って言ってたんで、ちょっと販路拡大はどうですかね?
【高畑】あ、それだとさ、俺ちょっと惜しいなと思うのは、ここに紐を通す穴を開けといてほしかったな。
【きだて】それはそうね。
【他故】ストラップホールがないんだよね。
【高畑】それはあっても良かった気がする。
【きだて】釣り用だとしたら、水に落としちゃうのが怖いから、ストラップホールは欲しいかな。
【高畑】そういう意味では、可能性はありそうな気がするね。
【きだて】だってほら、釣具屋さんで折りたたみはさみって結構売ってんだよね。
【他故】めちゃくちゃあるよね。
【きだて】だから、これはひょっとしたら、新たな釣り業界のヒット商品になる可能性が。
【高畑】そうだよね。それで、オリーブグリーンで成形するんでしょ?
【きだて】そうそう。あのありがちなカラーで。
【他故】よくあるやつ(笑)。
――釣りで使うというのは、餌とかつまんだりするってことですか?
【きだて】いや、釣り針をつまんだ状態で糸かけたりとか。
【高畑】あと、大きさにもよるけど、釣った時に魚の口に引っかかってる針を何かでつまんで引っこ抜くじゃん。それはペンチっぽいのとか使うよね。
【きだて】そう、針はずしもプライヤー型のやつあるから。
【高畑】あんな感じで、もしかしたらいけるのかもしれないよね。まあ、それ用にもうちょっと改良が必要なのかもしんないけど。
【きだて】多分、ハンドルと刃の部分のくっついてるところをもうちょっと頑丈にするとか、そういうことなのかな。
【他故】そうね。滑りにくくするとか。
【高畑】それ系で行くとさ、切った時に切った手を離さずに物が持てるって結構いいんだよ。
【きだて】ああ、はいはい。
【高畑】一旦置かずに、この切った手で切ったものを持っておいくと、こっちの手が空くじゃん。糸と針だと、糸を切ったときに、糸をこっちでつまんどいて、針を持ってきてとかできるじゃん。持つと切るが両方できるのは案外便利な気がするんだよね。細かい作業をやってるときにもね。
【他故】レトルトパックを切る用のはさみにそういうのなかったっけ?
【きだて】はいはい、レトルトパックはさみね。確かに似てる。
【他故】レトルトパックを切って、切った部分を挟んでみたいな。
【きだて】お湯から引き上げるのに、先端でつまみ上げるようになってる。
【高畑】だから、形状的にはほぼ一緒なんじゃない。
【きだて】近いね。
【高畑】レトルトはさみも、切るのと熱湯の中からつまみ出すのがそのまま手でいけるっていうのは確かにそうだよね。
【きだて】これがそのまま使える可能性もあるな。でも、ちょっと小さいか。
【高畑】お湯の中で袋が寝てたら、ちょっと指が熱いかも。
【きだて】これさ、やっぱりシール以外の方で可能性を広げた方が、ちょっと面白い気はするよね。
【他故】できるかもしれないね。またさらにバリエーションが増えるかもしれない。
【きだて】俺は、シールの切り貼りには少し使いづらさを感じてたので。この先端の形状とかに。はがすときに台紙からシールの角っこを浮かせないと、これでつまみにくくて。切手用のピンセットは、もっと先端が薄くて平たいじゃん。ああいうのだとね、もう少し台紙からはがしやすいんだけどね。
【高畑】でも、引っかいたりはしないよね。
【きだて】引っかいたりはしない。
【高畑】その中に入るかっていったら、平たいやつはあんま入らないんだけどな。シールを端っこのところを持ち上げるところは、台紙をカールさせたりとかしないと。お好み焼きのヘラみたいに下に入るかといったら入らないからさ。
【きだて】そんなに台紙をグイっと曲げなくても、ちょっとだけ浮いただけでも平たいやつだとそこから入れていけるんだよ。
【高畑】でも、これもいけるよ。そういう気はしたけどな。そうでもないかな? そんなに困ってないというか、携帯用だったら十分使えるし。ここが面になってるので平たく持てるんだよね。
【きだて】結局のところ、携帯用だからその利便性も考えてまあいいかなぐらいの満足度になってるんだよ。
【他故】シール用と言うには、もっと便利であるべきだって話だね。
【きだて】シールはがしやすいとかがあった方が良かったのかなという。
【高畑】むしろボンボンドロップみたいなんじゃないシールの方が持ちやすい。ボンボンドロップとかだとアールになってるから、下の面はこれでいけるんだけど、上の面をこれでつかんじゃうから、キレイなあのシールの曲面に傷をつけたくないなっていう気がちょっとしちゃうので、あんまり強く握れない。ボンボンドロップ系だとちょっと気を使う感じがする。
【きだて】ボンドロだと逆に横に寝かせた状態でサイドをつまむみたいな感じでやってみたんだけど。
【高畑】気をつけなきゃいけないのは、こう挟んでるところでクイっていっちゃってポロって行くっていうのがあるから、ちょっと怖いんだよね。
【きだて】つまむ感じだけどね。
【高畑】横つまみは横つまみでちょっと怖いけど、縦は力入れ過ぎて、ここに傷つけたくないなっていうか。
【きだて】縦でつまむと潰れそうになって怖くなっちゃう。
【他故】そうね。
【きだて】もうちょっと何かシールじゃないところに行かせてやりたい。
【高畑】シールじゃないところね。何があるかね?
【きだて】プラモ用に行けないかなとか色々と考えたんだけど。
【高畑】プラモ用になっちゃうと、デスク上にプラモ用工具ずらって並べてになっちゃうから。出先でちょっとプラモを組むとかってあんまりないんだよね。
【きだて】だから、携帯性が便利になるシーンがなくて。
【高畑】そうなんだよね。だから、ヨーヨーが近いんだと思うんだけど、ミニ四駆まで行くと多分工具箱持ってんだろうなってなっちゃうし。でも、ヨーヨーは何か分かる。そのぐらいの何か作業は必要だし、より細くないと困るんだけど、でも「そのために工具セットを持ってます」ではないよねみたいな。全米チャンピオンのポケットの中に入ってるのはアリかな。
【きだて】ポケットツールとしてだと、携帯性の魅力ってのはだいぶでかいよね。鞘なしで収納できて。
【他故】そうね。
【高畑】多分、類似ジャンルがあんまりないっていうのが強いのかな。面白そうだよね。だから行けそうな気がすんだけど、何に行けそうかっていうのを考えるのがちょっと難しいね。
【きだて】だからこそ、商品化の企画をよく通したなっていう。
【高畑】まあでも、「セミの抜け殻ペンケース」(※関連記事)とどっちが通しやすいかって話じゃん。
【他故】ははは、「こっちじゃね」っていう(笑)。
【高畑】こっちの方がよっぽど、「色々使えそうだし」みたいな(笑)。
【きだて】本当に、サンスター文具とキングジムは企画会議の基準がよく分かんねえな (笑)。
【高畑】でも、その軽いノリでやったやつの方が上手くいったりする時もあるから、世の中は分からんものだね。
【他故】そうね。
【高畑】なんか不思議だよね。
【きだて】「ウカンムリクリップ」だって、あんなに売れるとはきっと思ってなかっただろうし。
【高畑】作った時は、多分そんなそんなつもりではなくて。「何? ウカンムリかよ」みたいな(笑)。
【きだて】ちょっと「わはは」って笑って終わりですぐらいの感じだったと思うんだけどね。
【高畑】真面目に需要が予測できるものがあんまりなくなってきた中で、チャレンジする方向っていうので、あんまりクソ真面目に考えてるようにも見えないんだよね。ノリはちょっと軽くて。そこら辺は、今っぽいのかなという気がするけど。
【きだて】それでたまたまシール交換がブームになったから良かったもののさ。
【高畑】それはどうなんでしょうね。まあ、それはあると思うよ。シール交換のおかげで、想定以上に注目されることにはなったんじゃないのかな。それは確かにありそう。
【きだて】「ウカンムリクリップ」とこれといい、サンスターのラッキーさはすごいな。
【高畑】多分ね、茶柱が立ってんだよ。とんでもラッキー会社だからね。
【きだて】大したもんだ。
――これキャップレスじゃないですか。「スティッキール」で今までキャップレスってありましたっけ?
【他故】あったんじゃないですか。
【高畑】子ども用みたいなスティッキールがあったんじゃないかな。
【他故】「スラリノ」っていう、スライドがあって開くやつ。
【高畑】そうそう。
――あ本当だ、ありますね。
【高畑】「スラリノ」もそうだしね。それこそ、このジャンル自体は結構いっぱい各メーカーから出てるよね。
――まあ、そうですね。
【きだて】メジャーどこだとコクヨのもそうだよね。「サクサポシェ」とか「2Wayハコアケ」とか。
【他故】もちろんプラスもあるしね。
【高畑】クツワのやつはそれこそ「釣りの人にいいよね」みたいなことを言われるよね。
【きだて】クツワの「携帯はさみ」は、すでに釣具屋で売ってるやつだからね。
【高畑】でもどうなんでしょうね。釣り人口とか、シール人口とか。まあ、シールはどうなのか分かんないけど、釣り人口は、上手くはまればまあまあいると思うんだよね。
【きだて】シール人口なんか、多分今年の年末にはもうだいぶ減ってるわけじゃん。
【高畑】怖いこと言いますな(苦笑)。
【きだて】釣りはずっと続いてるんだから。
【高畑】山や谷は全然あるよね。ゼロになるとは思わないけど、ボンボン以外のシールっていうジャンルが平行してるからね。だって、ボンボンが出てなくても「シール貼れるよ」って言ってるつもりだったやつだから。あと釣りはね、うちの近くの上州屋へ夜に行くとさ、夜のお店にこんなにいるんだっていうぐらい人がいる。
【きだて】夜の釣具屋って、人がいるよね。
【高畑】いるいる。「今から釣りに行くぞ」っていう人たちが。
【きだて】埼玉に引っ越して、埼玉県内に釣具屋ってこんなにあるんだっていう驚き。海なし県なのにっていう。
【他故】あるだろう。だって、川釣りを死ぬほどするじゃん、あの人たち。
【高畑】釣具屋行くとさ、それこそあの近くの釣りスポットの今の状況みたいなのが貼り出されてたりとかして。そんな感じで、本当にみんなね、楽しそうに道具を選んでるんだよね。もしかしたら、それこそクツワのはさみじゃないけど、あんな感じで、シールのつもりで作ったけど釣具屋で売れるというのもあるかもしれないね。
【他故】あるんじゃないか。
【きだて】ストラップ穴だけなんとか追加して、上州屋モデルをやるべきだろう。
【高畑】そうだね。マジでストラップ穴は欲しいね。
【他故】ストラップ穴は欲しい。
【きだて】海に落とすこととか考えると、やっぱストラップ穴は絶対欲しいんだよね。
【高畑】確かに。これは何とかしたいとこですね。できそうな気も全然するけど。
――どんな使い方ができるか色々と考えましょう、ということで。
【高畑】新しい使い方を思いついた人は、サンスターまでコメントください。
*次回は「ペイパーリンク」です関連記事
プロフィール
高畑 正幸(たかばたけ まさゆき)
文具のとびら編集長。学生時代に「究極の文房具カタログ」を自費出版。「TVチャンピオン」(テレビ東京系列)の「文房具通選手権」では、3連覇を達成した。サンスター文具に入社し商品企画を担当。現在は同社とプロ契約を結び、個人活動も開始。弊社が運営する文房具のWebマガジン「文具のとびら」の編集長も務めている。著書は『究極の文房具カタログ―マストアイテム編―』(ロコモーションパブリッシング)、『究極の文房具ハック』(河出書房新社)、『そこまでやるか! 文具王高畑正幸の最強アイテム完全批評』(日経BP社)、『文具王 高畑正幸セレクション 一度は訪れたい文具店&イチ押し文具』(監修/玄光社)、『究極の文房具カタログ』(河出書房新社)、『文房具語辞典』(誠文堂新光社)と、翻訳を手がけた絵本『えんぴつとケシゴム』(KADOKAWA)。新著は『人生が確実に幸せになる文房具100』(主婦と生活社)。
https://bungu-o.com/
きだて たく
小学生の時に「学校に持っていっても怒られないおもちゃ」を求めて、遊べる文房具・珍妙なギミックの付いた文房具に行き当たる。以降、とにかく馬鹿馬鹿しいモノばかり探し続けているうちに集まった文房具を「色物文具=イロブン」と称してサイトで公開。世界一のイロブンコレクターとして文房具のダメさ加減をも愛する楽しみ方を布教している。著書に『イロブン 色物文具マニアックス』(ロコモーションパブリッシング)、『愛しの駄文具』(飛鳥新社)など。
色物文具専門サイト【イロブン】http://www.irobun.com/
他故 壁氏(たこ かべうじ)
小学生のころから文房具が好きで、それが高じて文具メーカーに就職。ただし発言は勤務先とは無関係で、個人の見解・感想である。好きなジャンルは書くものと書かれるもの、立つ文房具と薄いペンケース。30分間文房具のことしか語らないトーク番組・775ライブリーFM「他故となおみのブンボーグ大作戦!」パーソナリティ。たこなお文具情報室所属。
「他故となおみのブンボーグ大作戦!」番組ホームページ https://daisakusen.net/


